訪れたときは、ちょうど茅葺の絵馬殿が、茅の吹き替え作業の真っ最中でした。
神社の前を流れる清流沿いには産屋がたっています。入り口には魔よけの鎌、中には出産時に産婦が力むために使ったと思われる縄が天井から垂れ下がっていました。ここの産屋は大正初期まで実際に使われていたそうで、臨月を迎えた妊婦はここに丸7日間篭り出産したのだとか。出産は不浄とされていたかつての時代の名残は、「大原の産屋」として今でも大切に保存されています。
神社のまわりは黄金色に実った稲穂が頭を垂れ、秋の優しい日差しと相まって何とも言えない暖かな雰囲気を醸し出しています。中途半端な郊外に生まれ育った身にも郷愁を感じさせるこんな日本の原風景、これからも大切にしていかなければなりません。(ただ、実際こういう田舎に定住するとなると色々な苦労が待ち構えているのだろうけれど。)